近況 EAJのこれまでとこれから

 ☆発足とコロナの時期の変容を経て

 EAJ・日本オイリュトミー教育芸術協会は、その名の通り、現代と未来の育つ人たちのために、教育芸術としてのオイリュトミーの発展を支え、促進するために、2020年2月に生まれました。当時は、教育の分野ではたらくオイリュトミストのための講座開設と養成講座の準備を第一に考えていました。

 2020年2月ーちょうどそのころ、Covit19通称コロナが、世界を覆い始めたのです。世界中の人たちが、困難と不安を抱えながら、それぞれの置かれた場で、答えのない答えを求めながら道を模索していました。

 発足したばかりのEAJも、方向の転換を余技なくされました。人材養成講座の開始を見送り、オンライン講座のコミュニケーションを中心にしたオイリュトミーの普及と啓蒙を始めました。代表理事のはたりえこは、コロナの時期も、国内のシュタイナー学校や子ども園で、学校と園の方針に添ったありかたで、クラスを続けました。わけても台湾のシュタイナー学校での授業は、厳格な隔離とPCR検査を経ながらも途絶えることなく行われました。

 また、教育活動とは異なりますが、地球のあらゆるいのちを想う時だったからこそ、かねてから志していた新しい神殿舞としてのオイリュトミーのいくつかの作品が生まれ、寺社・教会・野外での奉納公演が、宗教を越えて捧げられていきました。

 オイリュトミストの個人の仕事を主軸に、社団法人として活動できる時を待つ時期だったとも言えるでしょうか。

 2023年くらいから、パンデミックがおさまり始め、規制も緩んできました。

 しかし、生きることはまさに動くこと。コロナの間の体験、その間に育まれた人と世界とのあらたなつながりはEAJの歩みにも作用し、代表理事のはたは、2023年から3年間、つながりの強まった台湾での仕事を主に、日本と台湾を往復することになりました。いきおい、EAJの活動は、不定期な教養啓蒙講座と奉納公演に限られました。

これまでに、伊勢神宮外宮、国営飛鳥歴史公園、叡福寺、橘寺、當麻寺奥の院、イギリス・グラストンベリー、フランス・ルルドなどで奉納公演

 

みなが和を持って集まる輪 新しい神殿舞の円舞としてのオイリュトミー

 ☆国内外のオイリュトミー、シュタイナー教育運動との協働をめざして〜 オイリュトミーを社会にひらき、未来につなぐ 〜

 そして、2026年11月、この年もまもなく過ぎようとしています。

 台湾に通い続けて10年、ある役割は果たしたところで、代表理事が日本で過ごす時間は増える方向です。

 ・神殿舞としてのオイリュトミー講座

 ・奉納を中心とした公演

 ・シュタイナーショップ…と言っても、店舗のない、時折の教養講座を行う小さな集いの場

 などを、EAJとして行っていきます。

 そして、EAJの方向性のこれからに光が当てられたことにも、触れたいと思います。

 2027年は、日本に初めてシュタイナー学校(東京シュタイナーシューレ)が生まれた1987年から40年を数えます。

 この40年の間に、日本各地に、規模も個性も異なりながら、同じ方向を見て協力するシュタイナー学校が7校になりました。(日本シュタイナー学校協会正会員校。準会員校を含むと13校)。

 オイリュトミーの分野では、1980年代以降、全国のオイリュトミストたちの地道な努力により、シュタイナー学校などの教育現場および大人の自己教育のための講座、医療と連携したオイリュトミー療法、そして多様な舞台表現において実践が重ねられてきました。

 一方、いまだ社会的な認知度は十分とは言えず、職業的・芸術的確立や次世代オイリュトミストの育成・継承という大きな課題にも直面しています。

 その中で、「オイリュトミーの三分野(舞台・教育・療法)が相互に協力し、他分野との協働を探りながら、時代と社会の要請に応える新たな道を開いていくことをめざそう」という動きが、オイリュトミストたちの中から生まれてきています。

 EAJは、やがては新しい協会形成に向かっていくだろうその希望を共にし、日本をはじめ、国外のオイリュトミストたちとさらにつながりながら、これからの歩みを進めていきたいと考えています。

中国・成都での国際ヴァルドルフ教員大会にて 中国、台湾、日本、ドイツ、ニュージーランドのオイリュトミストたちと

 余談ながら、代表理事は、2027年でオイリュトミストとしての仕事歴40年、同時に古希を迎えます。

 これまで歩めたてきことへの、働いてきた人たちと場所への感謝を籠めて、経験知などを人と世界に伝えることができれば、一番の幸せです。

台湾の高校生たちによるパフォーマンス

 この想いを主軸に、人という存在の全体性を回復させ、言葉と歌を源泉とし、語る・歌うという行為を全心身の動きへと変容させるオイリュトミーに導かれながら、この動きの芸術のために、身と心を尽くしてまいります。

                          2026年11月 

                          日本オイリュトミー教育芸術協会・EAJ 代表理事 はたりえこ