オイリュトミーの動きは、人の中から有機的に生み出され、成長発展の力と深くかかわっているので、最初のヴァルドルフ(シュタイナー)学校が、1919年にドイツで誕生した時から、全学年にわたる必須科目でした。

学齢期の始まりから成人前まで、年齢に添ったカリキュラムが展開されます。

それはちょうど、言葉と歌が発達して世界と人とのコミュニケーションとなり、心の表現手段ともなり、文学、音楽の芸術作品になっていく道筋のようです。

子どもは、幼児期の模倣を抜け出て、次第に自覚的に母音・子音、文法、メロディー、リズム、ハーモニー、音階、音程など、様々な要素を身ぶりと空間の動きに変容させることを学びます。一人ひとりの心身が、言葉と音楽を奏でる楽器になっていく、とたとえられるでしょう。

また、輪になって動くことから始めて、グループまたは一人で、直線曲線が組み合わさった多様なフォームを空間でなめらかに動く運動能力が養われます。

教育の場におけるオイリュトミーは、子どもの言語能力と音楽性を引き出し、思考感情意志をつなぐ直観力を育て、子どもと世界を、そして自分自身と、あたたかく、やわらかく、しっかりと結びつけていくのです。